「ポートフォリオ」の価値

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 最近感じておりますが、2019年までIT業界は若手エンジニアの売り手市場となり「プログラマー=稼げる業種」という認識広まりました。

 以前はプログラミングの習得方法と言えば、プライベート、大学・専門学校の情報系授業、入社後に研修やOJTで身につけるというのが主流でした。

 しかし2018年頃から プライベート、大学・専門学校の情報系授業 では「教える側の質(スキル)」と「教材の質」が問題となり、プログラミング学校ブームがおきスクールから卒業された生徒の売り手市場で数年にぎわいました。が最近はコロナもあり需要と供給バランスが崩れ、需要である 未経験エンジニア があふれている状況へと変わってきております。高度スキル者を採用側が選べるほどの競争業種へと変わってきました。このような状況下、今回のブログは未経験エンジニア達へ競争へ勝ち抜くための「作るべき自主制作物(ポートフォリオ)」についてお話させて頂きます。

 自主制作物とは何か

 各個人で自主的に行っているプログラミングであり、実際のソースコードや設計書をGitHubなどに載せて職務経歴書にURL記載の上で提出するものを指します。未経験エンジニアの場合は学習評価レポートといったところになります。

 私はIT歴ほぼ40年でスタートアップ企業からメガIT企業まで経験し役員経験も3社あります。採用からとプログラマーの立場の両側からの視点で今回は整理してみました。

企業側採用担当は自主制作物で採用までもっていきたい

 エンジニア採用担当からすると未経験者採用に対して興味がないわけではありません。コロナ不況より団塊の世代の40代、50代の自主退職希望より社員はスリム化となっている実情があります。「未経験者で良い人が居れば」と将来へ望みを繋ぎ採用する企業はあります。

 しかし現実としてプログラミング学校出身者が非常に多いので「○○スクールを卒業しました」だけだとどのくらいの実力がついているのか、適性があるのかさっぱり分からないという問題があります。

 プログラミングスクールや専門学校などで「課金しただけ」の人材もいるということであり、課金した先によってフィルタリングするのは本質ではありません。しかしそれを批判できないくらいには多いです。

 加えて起きている状況として、2020年3月頃に「折角目を掛けて採用し、教育してきた未経験者が一年で自社メディアに転職したり、フリーランスになった」という会社さんの声がいくつか聞こえてきました。元を辿っていくと一部プログラミング学校のLPや、エンジニアになるための情報商材が「1年でフリーランスになれる」と謳っていたことに行き着きます。それを忠実に実行して転職・退職していった諸先輩が居られるという話です。非常に残念な話ではありますが、市場はウイルス以外の要因でも荒れていると言わざるを得ません。

 不景気と荒れた市場が現実として立ちはだかる今、IT偏差値より入試のように必死に勉強し偏差値をアップできた実力とポテンシャルを示すための自主制作物が最も重要視されているのです。

採用担当は同じポートフォリオのレビューに飽きている

 プログラミング学校の教材のパターンとして基礎的な項目を実施した後に最終課題が出されます。その最終課題がそのまま自主制作物として企業に提出されるという流れがあります。これは2013年頃にブームがあったAndroid職業訓練校から見られる手法です。

 プログラミング学校卒業者の方は非常に多いので、結果として最終課題で溢れることになります。端的に言うと飽きています。スクールの最終課題では逆に評価が低い場合もあるのです。

・Twitterクローン
・Instagramクローン
・某フリマアプリクローン
・架空の会社のコーポレートページ
・ポートフォリオサイトという名のLP
・Todo管理や掲示板など

採用担当者の願望:自主制作物でここを見たい

 採用担当が見たいものは何かをざっくりとまとめると下記のようになります。

・プログラマとしての適性/素養
 −丁寧さ
 −きちんと入れられたコメント
・論理的思考力
 −条件分岐
 −ロジック
・自走できるか
 −教材にはない要素を自分で探して組み込めているか
・継続性
 −GitHubのブランチの枝分かれ具合
 −プログラミング卒業後も継続してプログラミングをしているか(好きで実装をしているか)

採用担当者が見たくないもの

・教材のコピペ
 −通称、写経
・著作権違反
・フロントエンジニア志望だがHTML/CSSしかないサイト
・見せることを意識していないサンプル実装

 著作権違反というのは、例えば某有名フリマアプリを再現した自主制作物というのを複数見たことがありますが、バナーから商品画像まで丸パクリでした。中の人に連携しましたが、社会人としてどうなの?という話なので表に出すのは辞めましょう。公序良俗に反するものも同様です。

 フロントエンジニア志望の場合、動的なサイトを作る必要がありますが、「なんだか小奇麗なサイト、コダワリはCSS」という方が非常に多いです。それはコーディングであってプログラミングとは言い難いです。デザイナー職に応募してみてはどうでしょうか。

 下記のようなものが割と見るパターンですが、提出物なので見せることを意識したものをお願いしたいです。ソースコードもそうですが、サンプルで入力したデータにも配慮が必要でしょう。

自主制作物に含まれていてほしいこと

 主にWEB系企業に応募するにあたり、自主制作物に含まれていることが望ましい項目についてピックアップします。

・フレームワークの利用
・条件分岐
・基本的なDBの操作
・継続したGitHubへのcommit

 ソースコードとあわせて提出していただきたいのは下記です。

・特に頑張ったソースコードへのリンク
・設計書

・Herokuなどで良いので動作確認ができるURL

 GitHubのURLを頂くことは先に話したように一般化していますが、殆どの方がオープンライブラリとセットでアップロードされているので「どのファイルを頑張ったのか」が分かりにくいということがあります。「このファイルを見てくれ」というのを注力したポイントとセットで書類に記載するべきでしょう。

 実際に動作するURLをHerokuなどにアップロードしておくのも重要です。動くのかどうか分からないソースコードのレビューもコストがかかるのでセットで提出していただきたいところです。ただ結構な割合で500とか404が返ってくるケースが多く、心象がよくありません。提出後は緊張感を持ってテスト実施しておきましょう。

私が考える、こんな自主制作物がお勧め

 特定の分野への就職に拘りがある場合は、その分野のサービスを実装するのが良いでしょう。そうでない場合は、汎用性の高い自主制作物を作っておく必要があります。私がオススメしたいのはアルバイトシフト管理システムや、勤怠管理システムなど実業務で汎用的に展開できるシステムです。

 何故このシステムをオススメするかというとTwitterやInstagramクローンで作る業務は普通ありませんが、業務系とも言われるシステムであれば自社メディア、SIer、SESのいずれであっても存在する業務なので、より実務に近いアウトプットであると言えます。何より要素が複雑に絡み合うことで上記にある条件分岐も自然と満たされていくことになります。使う側に立ったシステム作りを心掛けましょう

 アルバイト側と店長側でセットで実装しましょう。機能のイメージとしては下記のようになります。

アルバイト側のイメージ

・ログイン
・スマホ対応
・スケジュール画面
・シフト申請画面
・就業履歴確認
・欠勤申請

店長側のイメージ

・管理者ログイン
・従業員管理画面
 新規従業員追加、削除
・承認画面
・従業員スケジュール画面
・ある期間からの昇給/減給
・早朝手当、深夜手当
・欠勤処理
・各種設定画面
・月末締め処理
・給与明細の発行

 サンプルで入力したデータが一桁という人は多いですが、具体的にどういうふるまいをするのか分かりかねるため、サイトの内容にもよりますが100件程度のデータ入力は実施しておくと更に良いでしょう。アルバイトのシフト表や理容店の予約管理などはあらゆる業務分野へ展開できる業務です。これらも推しですね。

 自身で経験してきた業態に特化するのが生のエピソード込で評価が高いと思います。

まとめ

 今回紹介したものはあくまで一例でありますが、世に転がっているポートフォリオよりもぐっと転職合格へ近づけるものと考えています。是非ポートフォリオを考える際に一読をお願いできればと思います。

 MENTAなどよい先生へ出会えて完成させてくださいね。

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